このバージョン、何が違う?
ビートルズ「Tomorrow Never Knows」
Mono・2022 Mix・Take 1・RM11は何が違う?
同じ「Take 1」なのに、『Anthology 2』では約3分14秒、『Revolver』の特別版では約3分34秒。曲名とテイク番号だけでは、どの収録を選ぶか決められない曲です。
「Tomorrow Never Knows」には、完成したステレオとMono、2022年に作り直したミックス、最初のテイク、初期盤に使われた別のモノミックスがあります。演奏・ミックス・リマスターの違いを分けると、聴き比べの道筋が見えてきます。
公開日: / 更新日: / 資料確認:2026年10月28日 / 読了目安:約8分
2009リマスター → Mono → 2022 Mix。そのあとRM11とTake 1へ進むと、仕上げ方を変えた版と、制作途中の演奏を混同せずに比較できます。
アルバムの最後に流れる、最初に録音した曲
「Tomorrow Never Knows」は、1966年8月5日発売の『Revolver』の最後の曲です。一方で、同作の録音はこの曲から始まりました。公式の曲紹介には4月6日・7日・22日の録音が記されています。ビートルズ公式の曲紹介
歌声に使ったレズリー・スピーカー、テープ・ループ、逆回転のギターなど、スタジオでの加工も作品を作る要素でした。完成版と初期テイクを行き来するときは、歌や演奏に加えて、周りの音が入るタイミングや消え方にも耳を向けられます。レーベルの公式制作解説
Apple Musicで選ぶ、代表7収録
完成版3種、初期モノミックスRM11、Take 1の3収録です。「トゥモロー・ネバー・ノウズ」は日本語のカタログ表記。同じ曲でも、作品や表示言語によって英語表記になります。
| 選ぶ版/収録先 | 時間/ISRC | 比較の目印 |
|---|---|---|
| 2009リマスター(ステレオ) Revolver | 約2:58GBAYE0601506 | 完成したステレオ版を聴く入口 |
| Mono Revolver (Super Deluxe) | 約2:57GBUM72202573 | 1966年のオリジナル・モノ・マスターをもとにした収録 |
| 2022 Mix Revolver (Super Deluxe) | 約2:58GBUM72202557 | 元の4トラック録音から作り直したミックス |
| Mono Mix RM 11 Revolver (Super Deluxe) | 約3:06GBUM72202097 | 初期の少数のレコードに使われたモノミックス |
| Take 1(2022年特別版収録) Revolver (Super Deluxe) | 約3:34GBUM72202087 | 1966年4月6日の最初のテイクをたどる |
| Take 1(従来のAnthology収録) Anthology 2 | 約3:14GBAYE1100487 | 同じTake番号でも、特別版より約19.5秒短い |
| Take 1 - Remastered Anthology 2(2025年リマスター) | 約3:14GBUM72502626 | Anthologyのリマスター。2025年の新演奏ではない |
2026年10月28日にApple Music日本カタログで曲名・収録先・ISRC・ミリ秒単位の再生時間を確認。表では最も近い秒へ丸めています。7収録は7回の異なる演奏を意味しません。
2009リマスター・Mono・2022 Mixは、仕上げ方を分けて選ぶ
2009リマスターは、既存のステレオ版を聴く入口です。2009はリマスターの年で、曲の録音年ではありません。出来上がったミックスをもとに音質や音量などを整える作業と、録音素材からバランスを組み直す作業を分けます。2009リマスターの公式沿革
Monoは、2022年特別版の公式説明では1966年のモノ・マスターをもとにした収録です。ステレオ音源をプレーヤー設定でモノラルにしたものと、当時別に作られたモノミックスは区別して比較します。
2022 Mixは、Giles MartinとSam Okellによる新ミックス。公式は、元の4トラック・マスターから、音を分離する技術も用いて新たなステレオとDolby Atmosのミックスを作ったと説明しています。昔の演奏素材を扱う工程であり、2022年にバンドが演奏し直したという意味ではありません。2022年版の公式制作・形態案内
今回のステレオ2009リマスターは177,545ミリ秒、Monoは177,093ミリ秒、2022 Mixは177,613ミリ秒。3収録は約0.52秒の範囲に収まります。長さがほぼ同じでも、ミックスの成立まで同じとは判断できません。
Mono Mix RM11は、「Take 11」でも「2022年の新ミックス」でもない
RM11は、今回の公式曲目で「Mono mix RM 11」と記されるモノミックスです。公式発表は、LPが改めてカットされる前の少数のレコードに使われたミックスと説明しています。通常のMonoとは別の比較対象です。公式発表と曲目
曲名にあるのはMixの番号です。後述するTake 1のように演奏のテイクを示す表記とは分けます。また、2022年の特別版に入ったことから、RM11を2022年制作のミックスとは読みません。
配信のRM11は185,547ミリ秒で、表のMonoより8,454ミリ秒長くなっています。この差だけで演奏速度や追加録音の有無は決められません。声・ドラム・ループの位置関係、音の出入り、終わり方を順に比較する目印として使います。秒単位の編集点や素材の全対応は今回確定していません。
キキナオシでは、曲名にMixとあるためRM11が「リミックス」の枠に入る場合があります。その分類表示は新旧を保証するものではありません。曲名のRM11と収録先を見て、2022 Mixと区別します。
同じTake 1でも、『Anthology』と2022年特別版では約20秒違う
Take 1は、1966年4月6日に録音した最初のテイクを聴く収録です。完成版のステレオ/Monoを切り替える比較とは、見る段階が違います。公式のTake 1解説
『Revolver (Super Deluxe)』のTake 1は213,880ミリ秒。従来の『Anthology 2』のTake 1は194,333ミリ秒で、差は19,547ミリ秒、約19.5秒です。同じTake番号を選んでも、収録先まで確認する必要があります。
ここで確認できたのは、版名・収録先・番号・長さの違いです。どの部分を編集したか、前後の音やフェードをどう扱ったか、ミックス素材がどう対応するかは、今回の資料と総再生時間だけでは確定していません。「約20秒の差はすべてカット」「別の演奏だから長い」とは断定せずに聴き比べます。
2025年の『Anthology』再発では、Giles Martinによるリマスターが公式に案内されています。表の「Take 1 - Remastered」は194,253ミリ秒で、従来収録との差は80ミリ秒。近い尺とTake 1表記を手掛かりにできますが、配信マスターの完全一致までは保証しません。2025年Anthologyの公式案内
Take 1やRM11を探すなら『Revolver』の形態にも注意します。公式曲目では、Super Deluxeに両方、2CD DeluxeにTake 1を収録。14曲の通常形態だけでは、この2つの追加音源はそろいません。
『Revolver』のTake 1を基準に探す →完成版から、ミックスの違い、制作途中の演奏へ
- 2009リマスター → Mono。声とリズムのまとまり、ループの出入り、終わり方を目印にする。
- 2009リマスター → 2022 Mix。同じ再生形式・近い音量で、声やドラムの位置とバランスに注目する。
- Mono → Mono Mix RM11。同じモノラルでも、音が出入りする場所や余韻を比較する。
- 完成版 → Take 1。曲としての共通点をつかみながら、演奏と周囲の音の組み立てをたどる。
- AnthologyのTake 1 → RevolverのTake 1。約20秒の差を、実際にどこで感じるか確かめる。
これは聴き比べる場所を決めるための案内です。各版を実聴して音質の優劣を採点したものではありません。ステレオ同士の比較ではApple MusicのDolby Atmos設定もそろえます。Apple公式の設定案内
ISRC・発売日・検索の基準は、それぞれ役割が違う
同じ2022 Mixが『Revolver』と2023年版の赤盤などに入っていても、収録盤の数だけ別の演奏が増えるわけではありません。一方、ISRCが違うことだけを根拠に、新しく演奏し直した版とも判断できません。制作資料と曲名の版表記を併せて読みます。
カタログの発売日には、1966年の作品日付や再発の日付などが現れます。Take 1が『Anthology』に入った時期、リマスターされた時期、1966年に演奏した時期は、それぞれ区別します。
検索結果は、基準に選んだ曲との関係を表示します。Take 1を基準にすればその曲が基準表示になりますが、完成版と同一の録音だという意味ではありません。共有リンクも開いた時点のカタログを再検索するため、特定の基準曲や候補数が永続するとは限りません。
確認範囲・出典・関連記事
2026年10月28日時点の公式資料とApple Music日本カタログを照合しました。フル再生・聴感評価・波形解析は実施していません。RM11と通常Monoの全編集差、Take 1各収録の素材対応・編集点は未確認です。配信状況や曲の表示は変更される場合があります。