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VERSION GUIDE 15

THE BOOM「島唄」
オリジナル、ウチナーグチ、2013年再録音は何が違う?

「島唄」をApple Musicで探すと、オリジナル・ヴァージョン、ウチナーグチ・ヴァージョン、そして版名のない「島唄」が見つかります。同じTHE BOOMの曲でも、収録盤によって選んでいる演奏が違うことがあります。

今回はオリジナル版とウチナーグチ版、2013年の再録音を中心に、同年のシンフォニック・オーケストラ版も比べます。手掛かりになるのは、歌われる言葉、録音の来歴、収録盤と再生時間です。

執筆:TOPDAY読了目安:約8

「このバージョン、何が違う?」シリーズの全記事を見る →

「1993年の曲」と覚えていても、アルバム収録は1992年

公式ディスコグラフィによると、「島唄」を収録した『思春期』の発売日は1992年1月22日です。その後、ウチナーグチ版のシングルが1992年12月12日、オリジナル版のシングルが1993年6月21日に発売されました。「オリジナル」という名前と、シングル発売の順番は分けて考える必要があります。

出典:『思春期』の公式記録ウチナーグチ版の公式記録オリジナル版の公式記録

『思春期』は2005年にデジタル・リマスタリングされ、ウチナーグチ版がボーナストラックとして追加されています。現在の収録曲一覧をそのまま1992年初版の内容だと考えないことも、版を選ぶうえでのポイントです。公式の再発・収録曲案内

Apple Musicで選ぶ4つの入口

島唄の代表4音源
比較する版今回選ぶ収録先曲名の表記長さの目安
オリジナル版THE BOOM Singles Collection 1989〜1996島唄 (オリジナル・ヴァージョン)約5分4秒
ウチナーグチ版THE BOOM Singles Collection 1989〜1996島唄 ウチナーグチ・ヴァージョン約5分6秒
2013年の再録音島唄(6曲入り)島唄約6分19秒
2013年のシンフォニック・オーケストラ版島唄(6曲入り)島唄 (シンフォニック・オーケストラ ver.)約6分29秒

Apple Musicで開く:

表は2026年9月9日のApple Music日本カタログを確認し、時間を秒単位に丸めたものです。当時の初版CDと現在の配信が完全に同じマスターであることを保証するものではありません。

ウチナーグチ版は、時間が近くても別の版として選ぶ

最初の2曲は同じコレクションに収録され、長さも約2秒しか違いません。それでも、曲名には異なる版名が明記されています。ウチナーグチ版では、まず歌の言葉の響きやフレーズの運びに注意を向け、オリジナル版の対応する箇所と聴き比べてみましょう。

日本カタログのISRCも、オリジナル版はJPSR09273899、ウチナーグチ版はJPSR09277729と異なります。再生時間が近いことだけで、同じ音源の別収録盤と判断することはできません。

一方、この番号の違いだけから、伴奏の全パートを録り直したのか、どの録音素材を共用したのかまでは分かりません。ここでは公式の版名と収録情報で区別し、確認できていない制作工程を補って説明しないようにします。

2013年版は、当時の編曲を大切にして演奏し直した版

2013年3月20日のシングルは、「島唄」の20周年記念として発売されました。公式収録一覧では1曲目が単に「島唄」となっており、曲名だけでは再録音と見分けられません。20周年記念シングルの公式案内

メンバーへの取材では、当時の編曲になるべく沿いながら、2013年時点の4人の演奏で録音し直したことが説明されています。宮沢和史は、編曲の変更を抑え、その時点の思いや技術で取り組む意図を語っています。MANTANWEBによるメンバーへの取材

この制作意図から、編曲が似て聞こえることと、同じ録音であることは別だと分かります。聴き比べる際は、声の入り方、言葉を伸ばす長さ、ドラムとベースの呼吸など、演奏そのものに目を向けるとよいでしょう。これは筆者の聴感ではなく、利用者自身が確かめるための観点です。

今回の2013年版は約6分19秒で、表のオリジナル版より約1分15秒長く、ISRCはJPN001300004です。ただし、時間差をどの部分の追加・変更に割り振れるかは、カタログ情報だけでは特定できません。

同じ2013年のシングルにも、もう一つの版がある

6曲入りの『島唄』には、1曲目の再録音に加え、3曲目にシンフォニック・オーケストラ版が収録されています。公式にも別トラックとして案内されており、同年の「島唄」を選ぶときも曲名全体を確かめたいところです。公式収録一覧

この版のISRCはJPN001300006、長さは約6分29秒です。歌と伴奏の関係や、伴奏がどの場面で広がるかを聴き比べる入口になります。ただし、1曲目と同じボーカルテイクを使っているかどうかは、今回の資料では確認できません。

『世界でいちばん美しい島』には、名前に「琉球」が加わったシンフォニック・オーケストラ版も配信されています。今回の表で選んだ曲とは曲ID・ISRCが違うため、同じものとして置き換えず、まず表のリンクで対象をそろえてください。

聴き比べるなら、この順番で

  1. オリジナル版とウチナーグチ版を選ぶ。 同じ端末・出力機器で、聞こえる音量を近づけ、対応する歌の箇所を比べます。言葉の響きやフレーズに注目します。
  2. 2013年の再録音を加える。 似た編曲の中で歌と演奏を追い、イントロから曲の終わりまで、長さの違いがどこにあるかも確かめます。
  3. シンフォニック・オーケストラ版へ進む。 今度は伴奏の役割や歌との関係に注目します。収録盤が同じでも、別トラックを選んでいることを確かめましょう。

確認時、この曲URLからの検索には表の4音源が含まれました。ウチナーグチ版は曲名の表記から区別し、2013年のシングルと同じ確認済みISRCを持つ候補は、メンバーへの取材を根拠に「再録音」と表示します。発売年や収録盤だけで再録音とは判断していません。候補の版名と、この記事の収録盤・曲リンクを合わせて確認してください。