このバージョン、何が違う?
ビートルズ「Revolution」と「Revolution 1」は何が違う? シングル版・2018/2023 Mixを比較
公開日: / 更新日: / 読了目安:約7分
歪んだギターで始まる「Revolution」と、『ホワイト・アルバム』の「Revolution 1」。同じ曲を探したはずなのに、速さも雰囲気も違う録音が出てきます。さらに2009 Remaster、2018 Mix、2023 Mix、Take 18という表記まで並ぶと、何から聴けばよいのでしょうか。
まず分けたいのは、シングル系の「Revolution」と、遅いアルバム版の「Revolution 1」です。この2つは演奏・アレンジの異なる録音。そのうえで、それぞれの録音に後年のリマスターや新ミックスがあります。
代表6収録を、録音の系統から選ぶ
2026年10月17日に確認したApple Music日本カタログから選びました。時間はミリ秒値を秒に丸めています。ISRCは録音をたどる手掛かりですが、同じ番号だけでマスターの完全一致、違う番号だけで再録音とは判断できません。
| 収録作品/曲名 | 時間/ISRC | 選ぶ目印 |
|---|---|---|
| レボリューション (2009 - Remaster) Past Masters, Vols. 1 & 2 Apple Musicで開く | 3:25GBAYE0900597 | シングル系の比較基準。2009リマスター |
| Revolution (2023 Mix) The Beatles 1967–1970 (2023 Edition) [The Blue Album] Apple Musicで開く | 3:22GBUM72306583 | シングル系の新ミックス。2023年版の青盤 |
| レボリューション1 (2009 Digital Remaster) The Beatles (The White Album) Apple Musicで開く | 4:16GBAYE0601668 | 遅いアルバム版。2009リマスター |
| Revolution 1 (2018 Mix) The Beatles (White Album) (Super Deluxe Edition) [2018 Remix & Remaster] Apple Musicで開く | 4:16GBUM71802725 | Revolution 1の新ミックス |
| Revolution (Esher Demo) The Beatles (White Album) (Super Deluxe Edition) [2018 Remix & Remaster] Apple Musicで開く | 4:07GBUM71802749 | 完成版の前段階。Esherのデモ |
| Revolution 1 (Take 18) The Beatles (White Album) (Super Deluxe Edition) [2018 Remix & Remaster] Apple Musicで開く | 10:29GBUM71802760 | 約10分29秒のセッション音源。完成版の長尺リミックスとは分ける |
ここでの「シングル系」は1968年のシングルで発表された録音の系統を指します。表の『Past Masters』は後年の配信リマスターであり、当時のシングル盤のモノ・ミックスをそのまま比較する表ではありません。
「Revolution」と「Revolution 1」は、演奏・アレンジから異なる
「Revolution」は1968年の「Hey Jude」のB面として登場しました。公式の「Hey Jude」紹介でもB面の曲名を確認できます。一方、「Revolution 1」は同年の『The Beatles』、通称『ホワイト・アルバム』に収録された遅い版です。
Universal Musicの楽曲解説は、アルバム版を別アレンジと説明し、ジョンが遅い版をシングルにしたがっていた経緯を紹介しています。速い録音と遅い録音を、完成した同じ音声の速度変更やリミックスだけで説明することはできません。
ギターの歪みも制作上の目印です。公式の映像紹介に載る制作説明では、録音卓へ直接入力し、過大なレベルで歪ませたとされています。ジョージ・マーティンも意図的に限界を超える音を求めたと振り返っています。まずこのギターと、遅い版の伴奏・コーラスの組み立てを聴き分けてみてください。
配信の基準2曲は204,560ミリ秒と255,707ミリ秒で、約51.1秒違います。ただし、時間差をテンポだけに割り当てることはできません。構成や曲末も含めて比較する必要があります。
2018 Mixは「1」、2023 Mixはシングル系を仕上げ直した版
同じ曲名に見えても、新ミックスの対象が違います。「Revolution 1 (2018 Mix)」はアルバム版、「Revolution (2023 Mix)」は青盤に収録されたシングル系です。
2018年記念盤の公式説明によると、Giles MartinとSam Okellがオリジナルの4トラック/8トラックのセッション・テープからアルバムを新たにミックスしました。2018という年は、ビートルズがこの曲を演奏し直した年を意味しません。
赤盤・青盤2023年版の公式発表には「Revolution (2023 Mix)」が載っています。今回の日本カタログでも同名・別ISRCの収録を確認しました。2023 Mixと『Past Masters』版の差は約2.7秒、Revolution 1の2009版と2018 Mixはわずか0.054秒です。長さの近さから、同じミックスだとまとめないようにします。
2023 MixにはDolby Atmosの対応情報もあります。ミックスの版名と再生形式は別の軸なので、まずはステレオ同士で比較すると条件をそろえやすくなります。Atmosの曲別の全制作工程は今回確定していません。
Esher DemoとTake 18は、完成する前の姿をたどる音源
2018年の記念盤には完成版の新ミックスだけでなく、Esher Demoとセッション音源も収録されています。「Revolution (Esher Demo)」は約4分7秒。「Revolution 1 (Take 18)」は約10分29秒です。
デモでは、曲の骨格と歌・伴奏の関係を完成版と比べてみてください。Take 18では、アルバムの完成版が終わる頃を過ぎたあとの展開にも注目できます。単に「長いほど完全な完成版」という関係ではありません。
公式の記念盤曲目には、さらに「Revolution」の番号なしリハーサルと「Take 14 – Instrumental backing track」もあります。今回は最初の聴き比べに使いやすい6収録に絞りました。これらの制作途中音源は、1968年の完成版を2018年にもう一度演奏したものではありません。
「Revolution 9」は、「1」の次のミックス番号ではない
「Revolution 9」は、歌ものの「Revolution」を少し仕上げ直した版とは性格が異なるサウンド・コラージュです。公式曲紹介の制作説明では、アルバム版の長い終結部を出発点に、声、効果音、短いテープ・ループなどを重ねて構成したと説明されています。
素材上のつながりはありますが、完成版「Revolution 1」の後半を切り出しただけの音源と考えると、追加された編集・構成を見落とします。Take 18から制作の広がりをたどる発展編として聴くのがよさそうです。
日本カタログの2009版「Revolution 9」は502,013ミリ秒、約8分22秒。今回は歌もの2系統の比較表から分けています。Apple Musicで「Revolution 9」を開く
2つの録音を比べてから、それぞれの新ミックスへ
- 『Past Masters』の「Revolution」と、2009版「Revolution 1」で、テンポ、伴奏、歌の入り方、曲末を比べる。
- シングル系の2009版と2023 Mixで、同じ箇所の歌・ギター・リズムの配置を比べる。
- 「Revolution 1」の2009版と2018 Mixでも、同じ条件で音のバランスを比べる。
- Esher Demo、Take 18へ進み、完成版との構成の違いをたどる。
- 興味があれば「Revolution 9」を聴き、歌ものから離れた音の組み立てへ進む。
同じ機器・再生形式で、音量感もそろえて短い区間を往復すると比較しやすくなります。この記事は公式資料と配信情報の整理であり、フル再生による聴感の優劣や音声の完全一致を判定したものではありません。
検索語によって取得される候補は異なります。「Revolution 1」の2018 MixやTake 18は、「Revolution 1」の検索または比較表のApple Musicリンクからたどれます。検索には「Revolution 9」や再収録盤も現れるため、曲名と収録作品を合わせて選んでください。候補表示や信頼度は、同じ録音だという保証ではありません。
確認した範囲と、次に読む記事
確認日は2026年10月17日。日本カタログでは「Revolution」検索14収録、「Revolution 1」検索15収録を確認しました。全世界・全媒体を網羅した一覧ではありません。同じISRCの再収録にも秒単位の尺差があるため、番号だけで編集・無音・フェードまで同じとは断定しません。
1968年の各国シングル盤、モノ/ステレオの全ミックス、映像版の歌唱素材と配信音源の対応、各配信版の細部の編集、音量・波形の測定は今回の確認範囲に含めていません。公式サイトの「Revolution」曲ページには「Revolution 9」の説明も併載されているため、曲名だけで説明の対象を取り違えないよう照合しました。配信状況は後日変わる場合があります。