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VERSION GUIDE 58

中島美嘉「雪の華」
通常版・アコースティック・リミックスは何が違う?

約3分37秒の「Acoustic」と、約5分50秒の「Piano & Voice Style」。どちらも「雪の華」ですが、同じアコースティック版の名前違いとして選ぶことはできません。

シングルの別版、葉加瀬太郎とのリメイク、ピアノとベースで歌い直したセルフカバー。さらに2種類のレゲエ・ミックスとTHE FIRST TAKEを並べ、何を変えて聴き比べるのかを整理します。

執筆:TOPDAY資料確認:2026年10月27日読了目安:約8分
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出発点のシングルに、すでに4つの版がある

「雪の華」は2003年10月1日発売。Sony Musicの公式曲目は、通常版、Acoustic、REGGAE DISCO ROCKERS FLOWER’S MIX、Instrumentalの4曲を別々に掲載しています。Acousticやレゲエ版は、後年の記念盤で初めて生まれたものではありません。シングルの公式曲目

現在のApple Music日本カタログでは、シングル通常版は約5分42秒、Acousticは約3分37秒。約2分05秒の差があり、ISRCも別です。ただし、短いというだけで「通常版から伴奏を抜いて短縮した」「新たに歌い直した」とは決められません。今回の公式曲目は独立した版としての存在を確認する資料で、歌唱素材の対応や編集点を説明する資料ではないためです。

まず通常版とAcousticを選び、同じ歌詞の箇所から伴奏、歌の間、曲の構成を比べてみてください。再生時間の秒数をそろえるだけでは、同じフレーズに到達しない場合があります。Instrumentalも配信されていますが、歌入りのAcousticとは別の版です。

Apple Musicで選ぶ、代表7収録

通常版から始め、編成を変えた版、ミックスを変えた版、後年の演奏へ進む7収録です。版名を押すと、その収録のApple Music曲ページが開きます。

版・収録先・長さ・比較の目印
選ぶ版収録先長さ比較の目印
通常版雪の華 - EP約5分42秒2003年シングルの基準点
Acoustic雪の華 - EP約3分37秒同じシングルの短い別版
FLOWER’S MIX雪の華 - EP約6分04秒シングルに収録されたレゲエ・ミックス
silent version朧月夜〜祈り約5分59秒ピアノとストリングスのリメイク
Piano & Voice StylePORTRAIT 〜Piano & Voice〜約5分50秒ピアノ・ベース・歌のセルフカバー
2018 Relaxin’ mix同名の配信シングル約6分15秒15周年に追加された別ミックス
From THE FIRST TAKE同名の配信シングル約6分00秒2021年公開の別演奏

版名、収録先、ISRC、尺は2026年10月27日のApple Music日本カタログで照合。時間は秒単位に丸めた目安です。配信情報は変わる場合があり、版名のない曲が発売当時の初版CDと完全に同じマスターであることを保証するものではありません。

silent versionは、ピアノとストリングスのリメイク

2004年9月15日発売の『朧月夜~祈り』は、葉加瀬太郎をサウンドプロデューサーに迎えたミニアルバムです。Sony Musicは、この盤の「雪の華」をピアノとストリングスだけの編成によるリメイクと説明し、曲目に「silent version」を記載しています。『朧月夜~祈り』の公式説明

現行配信は約5分59秒。シングルのAcousticより約2分21秒長く、ISRCも異なります。静かな編成という共通点だけで、2つを同じ音源とまとめないことが大切です。ピアノとストリングスという編成は公式に確認できますが、通常版からどの歌唱素材を引き継いだか、どこを録り直したかという全工程までは断定しません。

同じsilent versionは『RELAXIN’』にもあり、同一ISRCで約0.21秒差でした。こちらのアルバム名と、後述する「2018 Relaxin’ mix」という曲名は別の情報です。『RELAXIN’』に入っているから2018年のレゲエ版、とは選べません。

Piano & Voice Styleは、3人編成のセルフカバー

2018年11月7日発売の『PORTRAIT ~Piano&Voice~』は、Sony Musicがセルフカバー盤として紹介しています。ピアノの河野伸、ベースの海老沼崇と中島美嘉の3人で、プレミアムライブの編成をレコーディングへ持ち込み、ほぼ一発録りで収録したという説明です。『PORTRAIT』の公式制作説明

公式曲目では「雪の華」、Apple Musicでは「雪の華 Piano & Voice Style」という版名です。現在の尺は約5分50秒。シングルのAcoustic、ピアノとストリングスのsilent versionとは、それぞれ編成・収録先・番号を分けて選べます。

ここではピアノ、ベース、歌という関係が聴き比べの目印です。公式がライブの形を再現して録音したと説明しているため、アルバム音源そのものを公演のライブ録音とは呼びません。初回盤の特典映像にある2018年8月19日の公演情報も、CD音源の録音日へそのまま移せません。

レゲエ・ミックスは、2003年と2018年を分ける

シングルの「REGGAE DISCO ROCKERS FLOWER’S MIX」と、15周年の「Reggae Disco Rockers 2018 Relaxin’ mix」は別の版です。後者は2018年10月10日に配信開始。Sony Musicは、高宮紀徹率いるReggae Disco Rockersによるラバーズロックのアレンジを紹介しています。2018年版の配信告知

同日の15周年アナログ盤にも、通常版とともに2018 Relaxin’ mixを新たに収録すると告知されました。「アナログ盤の再発売」という商品説明と、新たに加えられたミックスを分けて読むと、2003年の版をそのまま再掲しただけではないことが分かります。15周年アナログ盤の公式説明

FLOWER’S MIXは約6分04秒、2018年の配信シングルは約6分15秒で、約11.5秒差。ISRCはそれぞれ「JPN300301303」「JPU901802617」です。制作チームが同じでも、同じ完成ミックスとは扱いません。一方、どの歌唱や楽器の素材を共有するか、追加演奏・編集がどこまであるかは今回の資料では未確定です。

通常版からレゲエ版へ進むときは、リズムの刻みやベース、声の置かれ方を手掛かりにしてみてください。その後にレゲエ版同士を比べると、同じ方向のアレンジでも構成や響きがどう違うかを確かめられます。ここで挙げるのは聴き比べの観点で、筆者による試聴結果ではありません。

THE FIRST TAKEも同じ2人の伴奏だが、別の演奏

2021年11月5日公開のTHE FIRST TAKEは、河野伸のピアノと海老沼崇のベースによる特別なアコースティック編成。伴奏者は『PORTRAIT』と同じですが、2021年の企画で披露された別の演奏です。編成が共通でも、2018年盤の音源を流用したものとは判断しません。THE FIRST TAKE公式映像・演奏者情報

配信では「雪の華 - From THE FIRST TAKE」として約6分00秒。同じ音源を2021年12月22日発売の『MESSAGE ~Piano & Voice~』へボーナストラックとして収録することも、Sony Musicが案内しています。現在の配信シングルとアルバム収録は同じISRC・同じ尺でした。『MESSAGE』への追加収録告知

約5分50秒のPiano & Voice Styleと比べるなら、伴奏人数をそろえたうえで、歌い始め、言葉の間、ピアノやベースとの呼吸、終わり方へ。同じ人が同じ曲を歌い続けるなかでの変化を、自分の耳で確かめる入口になります。映像と配信曲の編集・マスターが完全に一致するかまでは、曲名だけで保証しません。

『BIBLE』には、3つの「雪の華」がある

2019年の『雪の華15周年記念ベスト盤 BIBLE』は、通常版、Piano & Voice Style、2018 Relaxin’ mixを、それぞれ別ディスクの1曲目に置いています。同じベスト盤の中にも比較軸の違う3版があるため、盤名だけでなく曲名の末尾まで見るのが近道です。『BIBLE』の公式曲目

今回のカタログでは、Piano & Voice Styleは『PORTRAIT』と『BIBLE』で同じISRC・同じ350,333ミリ秒。2018 Relaxin’ mixもシングルと『BIBLE』で同じISRCですが、後者は約1.68秒長くなっています。通常版のEPと『BIBLE』も同じISRCで約1.47秒差。同じ番号は対応を探る手掛かりになりますが、無音やフェード、配信用の編集・マスターの違いまで確定するものではありません。

また、Sonyの旧ダウンロード案内には通常版5分38秒、Acoustic3分35秒、FLOWER’S MIX5分58秒という表記があります。これは今回のApple Musicの尺と一致しません。表では現行配信の値を使い、古い案内の秒数から再生速度変更や新しい録音を推定しないようにしています。Sonyの旧ダウンロード案内

まずは、違いの軸を1つずつ選んでみる

  1. 通常版 → Acoustic。 同じシングルの中で、尺や編成・構成の異なる版を比べる。
  2. silent → Piano & Voice。 ピアノとストリングス、ピアノとベースという編成の違いを確かめる。
  3. FLOWER’S MIX → 2018 Relaxin’ mix。 同じ制作チームによるレゲエ版同士を選び、リズムや展開を比べる。
  4. Piano & Voice → THE FIRST TAKE。 共通する伴奏者とともに、時期の違う演奏を聴き比べる。

同じ端末・同じ再生形式を選び、音量差をできるだけそろえると比べやすくなります。新しい年の版が必ず自分に合うとは限りません。気に入った演奏やミックスを選んでみてください。

ボタンはシングルの通常版から、中島美嘉本人の各版を探します。他の歌手のカバーをまとめる検索ではありません。候補数や配信状況は更新される場合があります。