このバージョン、何が違う?
Original Love「接吻」
シングル・アルバム・Ovall・田島貴男ソロ版は何が違う?
同じ田島貴男の歌でも、Original Loveの「接吻」と、ソロ名義の「接吻」は同じ録音ではありません。Ovallと作り直した版、ひとりで演奏する版、長岡亮介とのふたりのステージ。歌い手を手掛かりにすると、ひとつの曲が編成を変えていく道筋が見えてきます。
まずは1993年のシングル/アルバムという版の違いを整理し、そのあと新録、弾き語り、ライブへ。公式の制作説明とApple Music日本カタログを照合して、比較する入口を選びます。
公開日: / 更新日: / 資料確認:2026年10月26日 / 読了目安:約8分
Original LoveのALBUM VERSIONを起点に、Ovallとの新録、田島貴男の弾き語りへ。次にシングル版と各ライブへ進むと、版の違いと演奏の違いを整理しやすくなります。
Apple Musicで選ぶ、代表8収録
名義、収録盤、版表記を合わせて選びます。「田島貴男」と書かれていても、必ずひとりだけの演奏とは限りません。京都音博のように、バンドや管弦楽と共演する録音もあります。
| 版/名義/収録先 | 時間/ISRC | 比較の目印 |
|---|---|---|
| シングル版系統 Original Love Sunny Side of Original Love・13曲目 | 約5:01JPTO09326890 | 同ISRCのSingle Version収録と対応する入口 |
| ALBUM VERSION Original Love Sunny Side of Original Love・2曲目 | 約4:41JPTO09326920 | 公式にもAlbum Versionと明記された版 |
| Ovallとの新録・2021年盤 Original Love & Ovall What a Wonderful World with Original Love? | 約4:40JPVI02101848 | Ovallとのバンド演奏で作り直した録音 |
| M.D.L. Version Original Love & Ovall MUSIC, DANCE & LOVE | 約4:43JPVI02203415 | 2022年アルバムの別表記。制作工程の全内訳は未確認 |
| ひとりソウルショウ Live Version 田島貴男 ひとりソウルショウ | 約5:00JPZ921204084 | ソロ名義のライブ。2012年発売 |
| 骨tone BLUES版 田島貴男 骨tone BLUES | 約5:35TCJPQ2153819 | 2021年の弾き語りアルバムで聴く |
| ふたりソウルショウ・SESSIONS 田島貴男 & 長岡亮介 SESSIONS | 約6:37JPVI01765430 | ふたりだけのステージを収めたライブ作品 |
| 京都音博2017版 田島貴男 京都音楽博覧会2017 IN 梅小路公園 | 約5:14JPVI01820620 | 特別編成のバンドと管弦楽による公演 |
2026年10月26日のApple Music日本カタログで曲ID・実名義・収録先・ISRC・ミリ秒単位の時間を確認し、表は秒に丸めています。代表的な比較対象であり、全配信・全発売盤の一覧ではありません。
同じ『Sunny Side』に入る、約5分01秒と約4分41秒
『SUNNY SIDE OF ORIGINAL LOVE』は、1993年12月8日発売のベスト盤。ユニバーサルの公式商品紹介は「接吻」をAlbum Versionと明記しています。同じ盤の他曲に付くNew Recordingという表記を、そのまま「接吻」にも当てはめないようにします。
現在のApple Musicで確認した同作は13曲構成で、2曲目が「接吻 (ALBUM VERSION)」、13曲目が版名なしの「接吻」です。2曲目は280,693ミリ秒、13曲目は301,360ミリ秒。アルバム版の方が約20.7秒短く、番号も異なります。
13曲目のISRCは「JPTO09326890」。『オリジナルラヴ・アーリーコンプリート』のSingle Versionと同じです。このため表ではシングル版系統の入口として区別しました。ただし、同盤のSingle Versionは303,733ミリ秒で約2.4秒長く、編集やマスターまで完全一致とは言い切れません。
アルバム版のISRCは「JPTO09326920」です。版名、番号、尺から区別することはできますが、「約20.7秒の差はイントロだけ」「歌い直し」といった内訳までは今回の一次資料で確定できていません。短い方がシングル版とも限らない、という比較の入口にしてください。公式アナログ盤のリマスター&カッティング説明も、そのまま現在の配信マスターの説明には使いません。
Ovallとの「接吻」は、新しい演奏で作り直した録音
『What a Wonderful World with Original Love?』には、Original Love & Ovall名義の「接吻」が入っています。ビクターの30周年公式サイトは、Ovallとのコラボレーションで本曲を新録したと説明。Shingo Suzukiのコメントでも、自宅でのデモ制作からビクタースタジオでのバンド録音に進んだ経緯を確認できます。
1993年の録音をベスト盤へもう一度入れただけ、という関係ではありません。ここでは曲の骨格を保ちながら、別のバンドとどう演奏を組み立てたかに耳を向けると、リマスター比較とは違う楽しみ方ができます。
一方、翌2022年の『MUSIC, DANCE & LOVE』には「接吻(M.D.L. Version)」が収録されています。公式アルバム曲目でも別の版名を確認でき、配信の実名義はいずれもOriginal Love & Ovallです。
2021年盤収録は280,133ミリ秒・ISRC「JPVI02101848」、M.D.L.は283,000ミリ秒・「JPVI02203415」。約2.9秒差で番号も異なります。ただし、それだけで再演奏、歌い直し、リミックスのどれかに決めることはできません。Ovallとの新録という大きな関係と、両版の歌唱・伴奏素材がどう対応するかは分けて考えます。
田島貴男名義には、ライブと弾き語りアルバムがある
ソロ名義を探すなら、まず『ひとりソウルショウ』の「接吻 (ひとりソウルショウ Live Version)」へ。WONDERFUL WORLD RECORDSの配信案内にも、このライブ版が田島貴男名義で載っています。約5分で、シングル版に近い長さでも別の演奏です。
もうひとつは、2021年の『骨tone BLUES』に収録された約5分35秒の「接吻」。レーベルの配信案内は、ギターや足でリズムを作る独自の弾き語りスタイルで録音したアルバムと説明しています。スタジオ版の伴奏を単に小さくしたり、音数を減らしたりしただけの比較ではなく、ひとりで歌と演奏を成立させる発想をたどれます。
同作にはアコースティックトリオによるライブの「bless You!」も入っていますが、その共演情報や2020年12月19日という日付を「接吻」に移してはいけません。本曲の録音日、録音場所、全編集工程は今回確定していません。『ひとりソウルショウ』のライブ版とも別に選びます。
Original Loveと田島貴男の各版を探す →長岡亮介と、ふたりで演奏する「接吻」
『SESSIONS』は田島貴男 & 長岡亮介名義。ビクター公式は、ふたりだけの「ふたりソウルショウ」のステージを記録した作品と説明しています。2018年のCD曲目にも「接吻」が入り、2023年にはアナログ盤が出ています。
今回の配信は約6分37秒。ひとりの弾き語り版と比べ、歌の間をもうひとりがどう受け持つか、フレーズをどう受け渡すかを聴く入口になります。
2023年アナログ盤のリマスター&カッティングの記載を、2018年発売の配信にも適用しないようにします。曲名にLiveと書かれていなくても、公式の作品説明を合わせればライブとして区別できます。
ソロ名義でも管弦楽と共演。アコースティックセットも別の編成
田島貴男名義の「接吻 (京都音楽博覧会2017 IN 梅小路公園)」は約5分14秒。主催者の2017年公式サイトには、特別編成のバンドと管弦楽団で行う「生歌謡ショー」の構想と、「接吻」の管弦楽編曲が説明されています。ひとりの演奏と取り違えず、編成を広げた比較対象として選べます。
公演は2017年9月23日、配信アルバムの発売は2018年4月4日。曲に付く2018年の日付は、公演日とは別です。
さらに、Original Loveのアコースティックセットによる『Slow LIVE at HONMONJI』にも「接吻」があります。発売元の公式案内によると、2019年8月30日の公演を田島貴男、木暮晋也、鹿島達也、冨田謙、真城めぐみの5人で収録。ひとりソウルショウとも、長岡亮介とのデュオとも違う編成です。
発売元に掲載された本人インタビューでは、「接吻」のひとりでの演奏から育ったアレンジを、アコースティックセットへ広げたと語っています。演奏の形が長年にわたって変化してきたことが分かる資料です。この2019年盤は今回のApple Music日本カタログ検索で該当曲を確認できなかったため、表には含めず作品紹介にとどめています。配信が存在しないと断定したものではありません。
最初は3曲。そのあと、シングル版とライブへ
- Original LoveのALBUM VERSIONを、比較の出発点にする。
- Original Love & Ovallの2021年盤収録へ進み、新しく組み立てたバンド演奏を聴く。
- 田島貴男の『骨tone BLUES』版で、弾き語りの形へ移る。
- 次にシングル版、M.D.L. Version、ひとり/ふたり/京都音博のライブを選び、録音と編成の違いを広げていく。
検索ではOriginal Loveと田島貴男の2名義を指定します。Original Love & Ovall、田島貴男 & 長岡亮介の共同名義も、選択したアーティストを含む曲として探せます。候補の実名義と収録盤を確かめ、同じ録音だという意味でまとめられているとは受け取らないでください。
この検索は本人が関わる版の比較が目的です。中島美嘉など他の歌い手のカバーを一緒に探す場合は、別途そのアーティストを指定します。同じタイトルでも別の楽曲があり得るため、名前だけで曲の同一性を決めないことも大切です。
確認範囲と、あわせて読む記事
制作の説明は、レコード会社、発売元・配信元、主催者の資料と本人インタビューを根拠にしています。配信曲の属性と時間は2026年10月26日の確認値です。ISRCは版を整理する手掛かりですが、同じ番号なら編集やマスターも完全に同じ、異なる番号なら必ず歌い直し、とは判断しません。
未確定なのは、シングルとアルバム版の素材対応・約20.7秒差の箇所、同ISRCの約2.4秒差、Ovallの2版の歌唱・伴奏素材と編集・ミックスの内訳、各ライブの配信用編集などです。追加の制作資料が得られた際に照合します。