キキナオシ

VERSION GUIDE 07

「Get Wild」の
オリジナル、’89、techno overdub mix、2014は何が違う?

同じ曲名でも、収録盤が違うだけの音源とは限りません。公式資料で制作上の位置づけを確認できる4版を選び、オリジナル、リミックス、後年の更新版として整理します。

執筆:TOPDAY読了目安:約8

「このバージョン、何が違う?」シリーズの全記事を見る →

先に、結論

1987年版が基準となるオリジナル、GET WILD ’89はPWLによるリミックス、techno overdub mixは曲名どおり別ミックス、Get Wild 2014は30周年ツアー用に制作された更新版です。

4曲は「同じ録音を別のアルバムに収めただけ」と一括りにはできません。一方、公式公開情報だけでは各トラックの使用機材、元素材、編集箇所のすべてを特定できないため、確認できた制作上の位置づけを超えて断定しません。

Apple Musicで聴ける4つの代表版

1987年の基準点

Get Wild

ほかの版と比較する基準になるオリジナル。Sony Music公式資料では1987年4月8日発売とされています。

Apple Musicで開く(外部サイト)

英国の制作拠点PWLによるリミックス

GET WILD ’89

オリジナルとは別の完成ミックス。Sony Music公式資料は、PWLのロゴが入ったオリジナル・アナログテープを2017年盤に使用したと説明しています。

Apple Musicで開く(外部サイト)

1993年『CLASSIX 1』収録

techno overdub mix

曲名でoverdub mixと明示された別ミックス。Apple MusicではTMN名義の独立した曲として掲載されています。

Apple Musicで開く(外部サイト)

30周年ツアー用の更新版

Get Wild 2014

『DRESS2』収録。公式30周年ページでは、ツアー用に制作された版としてオリジナルや’89と区別されています。

Apple Musicで開く(外部サイト)

曲名、アーティスト表記、収録盤は2026年8月31日のApple Music日本版で確認しました。カタログ更新や地域によって、表記や表示される収録盤は変わる場合があります。

1987年のGet Wildを、比較の基準にする

Sony Music公式ディスコグラフィは「Get Wild」の発売日を1987年4月8日と記載しています。2017年の30周年記念アナログ盤でも、版名のない「Get Wild」を、GET WILD ’89、techno overdub mix、オリジナル・カラオケと分けて収録しています。

後年のベスト盤や記念盤にも版名のない「Get Wild」がありますが、アルバムの発売日が新しいだけで、新録音や新しいリミックスとは判断できません。まず曲名の版表記と収録盤を確認し、1987年版と明示的な派生版を分けます。

GET WILD ’89は、英国のPWLで作られた別ミックス

Sony Music公式資料は、GET WILD ’89のリミックスをPWLが担当したと説明しています。PWLはPete Waterman Limitedの略で、当時の英国ポップスで多くの制作を手掛けた制作会社・スタジオ・レーベルです。さらに2017年のアナログ盤では、PWLのロゴが入ったオリジナル・アナログテープの音源を、オリジナル盤以来28年ぶりに使用したと記録しています。

したがって、末尾の「’89」は単なるリマスター年や再発年ではありません。1987年の完成音源を後年に音質調整しただけの版ではなく、別のミックスとして聴き比べる対象です。

techno overdub mixも、独立したリミックスとして分ける

「GET WILD (techno overdub mix)」は1993年の『CLASSIX 1』に収録され、Sony Musicの30周年資料でもオリジナルや’89とは別の代表版として列挙されています。Apple MusicではTMN名義で掲載されており、TM NETWORK名義の候補だけを見ていると見落とす可能性があります。

overdubは、すでにある録音へ新しい演奏や音を追加して重ねることです。曲名にoverdub mixと明記されているため、この記事ではリミックスに分類します。ただし、何を追加録音し、どの素材を差し替えたかという具体的な工程は、参照した公式ページには記載されていません。名称から工程の詳細までは推測しません。

Get Wild 2014は、30周年ツアー用に制作された更新版

Get Wild 2014は、2014年4月発売の『DRESS2』に収録されています。TM NETWORK公式の30周年ページでは、マニピュレーターの岩佐俊秀が「30周年ツアー用に制作した」版として言及し、オリジナルや’89と並ぶ作品として位置づけています。

そのため、末尾の2014をリマスター年とは扱いません。既存の完成ミックスを整えた版と決めつけず、ツアーに向けて制作された後年の更新版として分けるのが安全です。スタジオ版のほかに公演名と日付を付けたライブ版もあるため、「Get Wild 2014」までを曲名として確認します。

聴き比べは、版の役割を決めてから始める

  • オリジナル → ’89同じ位置から再生し、イントロ、リズム、音の配置や処理がどう変わるかを確認する。
  • オリジナル → techno overdub mix音量差だけで判断せず、追加された要素や展開の違いを曲全体で確認する。
  • ’89 → 2014異なる時期の更新版として、リズムの組み立て、音色、構成の違いを確認する。
  • ライブ版を混ぜない公演名や日付が付いた曲は別演奏。まず4つのスタジオ版を比べてから聴く。

ここで示すのは、違いを利用者自身が確認するための順序です。どの版が優れているか、どの配信音源が制作時の意図に最も近いかは断定しません。

ほかの版も、まとめて探す

「Get Wild」をキキナオシで検索すると、Apple Musicにあるオリジナル、’89、リミックス、2014、ライブ版などをまとめて確認できます。

「Get Wild」の候補を見る

参考資料と、この記事の限界

発売日、版の名称、収録曲、PWLと’89の関係、2014版の位置づけはSony MusicおよびTM NETWORK公式資料、Apple Music上の曲名と収録盤は2026年8月31日時点の日本版カタログに基づきます。音源の波形解析、各版のマルチトラックや配信ファイル、全ミックスの詳細クレジットまでは確認していません。キキナオシはApple、Sony Music、avex、TM NETWORKの公式サービスではありません。