キキキナオシ

VERSION GUIDE 37

ギルバート・オサリバン

「Alone Again (Naturally)」
通常録音とSongbookの
再録音は何が違う?

ベスト盤で見つけた「Alone Again (Naturally)」を、別のアルバムでも探してみる。同じタイトルが並んでいても、過去の録音を収録した盤と、後年に演奏し直した盤があります。

今回の聴き比べは、『The Essential Collection』の通常録音 → 『Songbook』の再録音という2つの入口から。曲名にある括弧と、収録盤に書かれた版名の役割も整理します。

公開日: 更新日: 読了目安:約6分

まず比較する収録:通常録音とSongbook

2026年10月2日のApple Music日本カタログから、比較に使いやすい4収録を選びました。いずれも配信曲名は「Alone Again (Naturally)」。表の時間は秒単位に丸めています。

Alone Again (Naturally)の代表収録・時間・ISRC
収録作品時間/ISRC選ぶときの目印
The Essential Collection
Apple Musicで開く
3:40
GBEQJ0400002
聴き比べの出発点。2016年のベスト盤に収録
Songbook
Apple Musicで開く
3:33
GB5KW2401199
2023年に録音した別演奏。2024年発売
Back to Front (Deluxe Edition)
Apple Musicで開く
3:41
GBEQJ0400002
通常録音と同じISRC。Deluxeは盤の版名
Alone Again (The Best Of)
Apple Musicで開く
3:37
GBEQJ0400002
通常録音と同じISRC。収録盤で尺が少し違う

『Songbook』だけISRCが異なります。ただし、番号の違いだけで再録音と判断したわけではありません。新録音という公式発表と、曲・アーティスト・収録作品を照合しています。

1972年の曲と、ベスト盤への再収録を分ける

「Alone Again (Naturally)」は1972年にヒットした曲です。英国Official Chartsの記録では、1972年3月4日に初登場し、最高3位に到達しています。

今回の出発点は『The Essential Collection』に収録された約3分40秒の音源です。Apple Musicの曲単位の日付は1972年2月18日、アルバム単位の日付は2016年6月10日。ベスト盤の発売日が新しくても、その年に歌い直したことにはなりません。

『Back to Front (Deluxe Edition)』や『Alone Again (The Best Of)』の収録も、出発点と同じISRC「GBEQJ0400002」を持っています。表の3収録では約3分37秒〜3分41秒と少し尺が異なりますが、同じ録音の別収録を探す手掛かりは共通しています。

「Deluxe Edition」はアルバムの版を示す言葉です。この言葉だけで、収録曲が再録音や新しいリミックスになったとは判断できません。また、同じISRCでも、曲末の余白、編集、マスタリングや配信ファイルまで完全に同じとは限りません。今回、尺差の原因までは確定していません。

Songbook:2023年に新たに録音した演奏

WMG/ADAの公式配給資料(PDF・20ページ)によると、『Songbook』は2023年後半、ロンドンのキングス・クロスにあるLafayetteで録音した12曲のアルバムです。長年の共演者Bill Shanleyがギターとバッキング・ボーカルで参加しています。

「Alone Again (Naturally)」も、編成を絞って新たに録音した曲として紹介されています。過去の完成音源の音を整えるリマスターとは制作工程が異なり、歌や演奏をもう一度録音したバージョンとして聴き比べられます。

ビクターの日本盤配信情報では、発売日は2024年9月27日で、6曲目に「アローン・アゲイン / Alone Again (Naturally)」を収録しています。ここでは録音が2023年、発売が2024年と分けて読むことが大切です。

今回確認した日本の配信は約3分33秒、ISRCは「GB5KW2401199」。通常録音との差は約7.2秒と小さくても、公式資料で再録音と分かります。長さが近いことだけで、同じ演奏と判断しない例です。

「(Naturally)」と「(Songbook Version)」は役割が違う

「Alone Again (Naturally)」の「(Naturally)」は曲名の一部です。曲を探すときには、この括弧も含めたタイトルを出発点にできます。括弧があるからといって、すべてがライブやリマスターの注記とは限りません。

一方、公式配信案内では「Alone Again (Naturally) (Songbook Version)」という表記が使われています。前の括弧は曲名、後ろの括弧は版を示す言葉です。

日本の『Songbook』収録曲には「(Songbook Version)」が付いていません。曲名だけを見ると通常録音と同じでも、アルバム名と公式の制作説明を合わせることで、再録音を選び分けられます。

聴き比べの順番と検索の目印

  1. まず『The Essential Collection』:通常録音の歌と伴奏、曲の始まりと終わりを確かめる。
  2. 次に『Songbook』:同じフレーズでの声の置き方、伴奏との間合い、演奏の編成を比べる。
  3. 最後に別のベスト盤:同じISRCの収録を選び、音量や曲末などに違いを感じるか、ご自身で確かめる。
「Alone Again (Naturally)」の各バージョンを探す →

検索では『Songbook』の「再録音(Songbook)」が目印です。通常録音を基準にしたとき、この版は同じ曲の別演奏として残り、同一録音についての信頼度は低く表示されます。これは音質や演奏の評価ではありません。

『Back to Front (Deluxe Edition)』は盤の版名から「その他の別バージョン」に入りますが、出発点と同じISRCで、同一録音についての信頼度は高い表示です。カテゴリだけで結論を出さず、収録盤・ISRC・判定理由を合わせて確認してください。

確認した範囲と関連記事

公式配給資料、レーベル、公式配信案内、Official Chartsと、2026年10月2日のApple Music日本カタログを照合しました。本人名義の代表収録を扱い、他アーティストのカバーや全世界の配信を網羅するものではありません。配信状況・表記は地域や時期によって変わります。

フル音源の聴取や波形比較は行っていません。通常録音の収録盤ごとのマスター、尺差の原因、細かな音の違いは未確認です。聴き比べの観点は、利用者ご自身で確かめるための案内として示しています。